麻雀の歴史、醜態をさらした麻雀プロから、ゲームの世界へ

いま70歳くらいの世代では、おそらく「男子大学生のほとんどが麻雀を出来る」。これは1970年代あたりのことです。
しかし1990年くらいになると、麻雀は下火になりました。
また、競馬、パチンコ、パチスロなどは一般の雑誌などやTV番組にも出る、いってみればプロといえる人たちがけっこうでてきたのですが、麻雀についてはメディアでよく取り上げられるようなプロはほとんど出てきませんでした。
さらに同じ頃、大規模な麻雀の大会である最強戦において、プロでない片山まさゆき氏(漫画家)、佐々木氏(雀鬼会)、山田氏(雀鬼会)など、麻雀プロが多く出ている大会においてアマチュアが優勝するという現象も起きてきました。
そもそも、かつてのように大学生はほとんどの人がやっている、そんな娯楽の王者の位置から麻雀はフェードアウトしていました。それに加えて、麻雀プロがアマチュアに負ける、ということも何度もおきました。
この麻雀最強戦で負けたプロの中には、「かなりつらい立場になった」と回想している人もいます。
しかも、負けたプロを責めた麻雀プロ達は「アマチュアにだけは勝たせないようにすべきだった」、「決勝に出ていたKプロは、佐々木氏のペースを崩すために「ゆっくり」打ったりしていたが、プロは全員ああいうふうにするべきだった」。
こんなことを言っていました。
麻雀プロはただでさえ知名度、認知度がない。アマチュアに負ける。さらには、遅延行為をしてでもアマチュアにだけは勝たせてはいけなかった、そんな発言をし始めた。
こんなこともあってか、麻雀プロが関係する作品にも変化が起きていました。たとえば前出の片山まさゆき氏などは、自身の麻雀漫画において、「麻雀店のイベント大会にプロがでて、しかも4人以上出ていって、プロがだれも優勝できない」また、「麻雀プロ団体において、団体の幹部からいやがらせをされた。だから脱退せざるをえなかった元・プロがイベント大会で勝ちまくる」(「ドトッパー」)
そんな描写をしたりしていました。しかも片山まさゆき氏は、麻雀最強戦で麻雀プロたちを破って優勝しているので、それを描く資格もあるでしょう(笑)
こんな下火になってしまい、しかも麻雀プロたちは醜態をさらしている麻雀ですが、ひょなんことで風向きが変わります。
まずはアーケードゲームです。
おじさんだけがやるのとは違う、麻雀のゲームがゲームセンターに並ぶようになりました。
これによって裾野が広がりました。中高生のころ麻雀のゲームをゲームセンターでやった記憶のある人もけっこういると思います。
さらにそのすこしあとにあるCS局やBS局で麻雀プロ、麻雀の強豪として知られている俳優などが本気で対戦する番組も継続的に放送されるようになってきました。
さらに時代が進むと、ネットゲーム、スマホゲームで麻雀ゲームがそれなりの数出てきました。
すると、「人と牌をつかって麻雀をやったことはないけど、ゲームではけっこうやっているよ。」こういう人が増えてきました。